審査員

川村 真司

木住野 彰悟 / Shogo Kishino

6D-K代表
アートディレクター・グラフィックデザイナー
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website : https://www.6d-k.com/

New Judge’s Interview

木住野 彰悟 / Shogo Kishino

6D-K代表
アートディレクター・グラフィックデザイナー

website : https://www.6d-k.com/

1975年東京都立川市出身。2007年にグラフィックデザイン事務所6D設立。
企業や商品のビジュアルアイデンティティをメインに、ロゴやパッケージデザイン、空間におけるサインデザインなど幅広く手掛ける。
主な受賞にD&AD、カンヌ、One Show、アジアデザイン賞、ADC賞、JAGDA賞、パッケージデザイン賞、サインデザイン賞 他国内外多数受賞。

自分が生活している中で「いいな」と感じる瞬間をキャッチして再現する。
私はそれが自分のデザインだと思っています。
“primitive”というテーマは、まさにそれに近いのではないでしょうか。
“primitive”に物事を考えたときに、さまざまなものが再定義できます。
自分はなぜこの作品を応募しようとしているのか、一度俯瞰して考え直してみるというアプローチも面白いかもしれません。自分の感覚を信じて、素直に作ることを楽しんでほしい。
デザインの根本にある視点に、その人らしい個性が光る作品に出会えることを楽しみにしています。

田根 剛

photo: Yoshiaki Tsutsui

田根 剛 / Tsuyoshi Tane

Atelier Tsuyoshi Tane Architects 代表
建築家
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website : at-ta.fr/

田根 剛 / Tsuyoshi Tane

Atelier Tsuyoshi Tane Architects 代表
建築家

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建築家。1979年東京生まれ。Atelier Tsuyoshi Tane Architectsを設立、フランス・パリを拠点に活動。考古学的なリサーチにより、場所の記憶から建築をつくる「Archaeology of the Future」をコンセプトに、現在ヨーロッパと日本を中心に世界各地で多数のプロジェクトが進行中。主な作品に『エストニア国立博物館』、『弘前れんが倉庫美術館』、『アルサーニ・コレクション財団・美術館』、『帝国ホテル新本館(2036年完成予定)』など。
フランス文化庁新進建築家賞、フランス国外建築賞グランプリ2021、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞、第67回毎日デザイン賞2021など多数受賞 。著書に『TSUYOSHI TANE Archaeology of the Future』、『田根 剛 アーキオロジーからアーキテクチャーへ』など。

“primitive”に込めたひとつの思いとしては、今ある生活での利便性や機能ではなく、本質的にこれから先をどう生きていくのかということです。現代の都市社会では、“primitive”なものは、ほぼ体験できないくらいに減ってきています。工業化やデジタル化が進む一方で、人間の本能的な生き方、この世界に必要なものはなにかを考え、形を与えてほしい。そして、デザインによって作り手の思いや考え方が温度として込められてモノとなったとき、受け取る側が、その温度を感じ取れるかということに、“primitive”につながるキーがあります。世の中が大きく変動する過渡期にある今、未来を創るのが仕事であるデザイナーやクリエイターの皆さんが、その先にある未来に目を向けて考えてみてください。

田村 奈穂

田村 奈穂 / Nao Tamura

デザイナー
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website : https://naotamura.com/

田村 奈穂 / Nao Tamura

デザイナー

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Parsons School of Designにてコミュニケーションデザインを学んだ後、工業デザインを専門にするSmart Design(米)を経て独立。 現在はニューヨークを拠点に、プロダクトからインスタレーション、空間デザインまで幅広く活動中。自然とテクノロジー、感性と機能性、繊細さと力強さ、2つの点のバランスが取れたデザインを探求し、作品はパリPalais De Tokyo美術館からミラノサローネ家具見本市など発表場所は多岐に渡る。国際的なアワードを多数受賞。

インターネットやSNSなどで情報が溢れる時代ですが、表層的な情報を取り除いて原点に立ち返ることで、そのものが果たす役割や作られるプロセス、使われている素材の特性など、本来あるべきものづくりのコアな原点が見えてくるのではないでしょうか。そんな根本的な部分から生まれる発想こそが、新しく、未来につながり得るだろうという思いを“primitive”というテーマに込めています。
また、情報が手に入りやすい時代だからこそ情報だけに頼らず、手を動かして実験し、発見をする喜びを感じてほしい。そのプロセスの中にワクワクを感じられる作品を待っています。

柳原 照弘

柳原 照弘 / Teruhiro Yanagihara

TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO. CO LTD.
デザイナー
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website : https://tystudio.fr

柳原 照弘 / Teruhiro Yanagihara

TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO. CO LTD.
デザイナー

website : https://tystudio.fr

2002年にデザインスタジオを設⽴。現在は神⼾とArles(フランス)にスタジオを構える。フランス、⽇本、オランダ、イギリスを拠点に国際的なブランドのクリエイティブディレクション、アートディレクション、プロダクトデザイン、インテリアデザインなど包括的な提案を⾏う。新たな創出の場としてギャラリー兼スタジオVAGUE KOBEを2023年夏オープン予定。

“primitive”と聞くと、形状的に原始的であるとか、無垢の素材が使われているなどと捉えられてしまうかもしれませんが、今回のテーマでは、もっと概念的な意味での“primitive”を求めています。生み出される背景や、長い時代を経て、作り、使われるストーリーに無理がないものが“primitive”だと感じています。川は地形に沿って無理のない形が形成されますが、デザインが川だとしたら、その上流で不自然な労働があったり、環境破壊があったりするとアウトプットも不自然なものになる。その場所にその形で存在していることが、これから先も自然で違和感がないもの、そして、それを使うことで感情が動かされるようなプロダクトが今回のアワードから生まれることを期待しています。

吉泉 聡

吉泉 聡 / Satoshi Yoshiizumi

TAKT PROJECT 代表
デザイナー
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website : taktproject.com/

吉泉 聡 / Satoshi Yoshiizumi

TAKT PROJECT 代表
デザイナー

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デザインを通して「別の可能性をつくる」実験的な自主研究プロジェクトを行い、国内外の美術館や展覧会で発表・招聘展示。
その成果をベースにクライアントと多様なプロジェクトを展開している。
主な受賞に、Dezeen Awards Emerging Designers of the year 2019(イギリス)、Design Miami/ Basel Swarovski Designers of the Future Award 2017(スイス)、iF Design Award Gold、Red Dot Design Award、German Design Award、第25回桑沢賞など。3つの作品が、香港の美術館M+に収蔵されている。また、21_21 DESIGN SIGHT企画展「Material, or 」の展覧会ディレクターなども務める。

要件や条件に引っ張られず、自身の視点で考えを深堀りした先に“primitive”な輝きが発見されるのではないかと思います。
しかしそれは、自分の思い込みだけでは輝きません。自身の視点で考えを進めていったにも関わらず、みんなが共感できるアイディアになる瞬間…。
それこそが、未開の摂理や原理の発見であり、“primitive”な輝きだと思います。
その発見へのアプローチでは、ぜひたくさん手を動かしてみてください。
つくることで現れる状況は、整理して考えただけでは見えてこない事に溢れています。
つくることは、考えること。頭と手をつかって得られた“primitive”な発見・魅力との出会いを、とても楽しみにしています。

黒田 英邦

黒田 英邦 / Hidekuni Kuroda

コクヨ株式会社
代表執行役社長
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黒田 英邦 / Hidekuni Kuroda

コクヨ株式会社
代表執行役社長

2001年4月コクヨ株式会社入社、ファニチャー事業の法人営業、経営企画部長、代表を経て、2015年より代表取締役社長に就任。2021年2月、長期ビジョンを発表し、企業理念を「be Unique.」に刷新。同年11月、第3次中期経営計画「Field Expansion 2024」を発表。変化する顧客ニーズを捉え、働き方や学び方の新しい体験を次々と生み出していくことで、持続的な成長の実現に取り組んでいる。

今年で21回目の開催となりました。多くの方に、デザインに関わっていただく機会を提供することを使命として続けてきましたが、その根本にあるのは、良いデザインは良い世の中を作っていくという思いです。技術が進化し、今や生成AIが世の中を席巻する中で、人がデザインする意味自体が問われる時代になりました。だからこそ、今回のテーマ“primitive”を通じて、ぜひ未来においても変わらない「本質」とは何か、考えてみてください。多様なバックグラウンドから見出される「本質」には、きっとこれからの社会をより良くするヒントが詰まっています。今年もたくさんのワクワクできる提案に出会えることを楽しみにしています。