商品化された作品

カドケシ

〈2002 佳作〉

カドがたくさん付いていて、細かい部分もラクラク修正が可能な消しゴムです。

  • カドケシ
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受賞アワード:
GOOD DESIGN AWARD(2003):グッドデザイン賞
MoMAデザインコレクション(2005)

応募時の作品
商品化された実物

作品から商品へ


大ヒットを飛ばしている「カドケシ」。原形となった作品は、2002年に開催された「コクヨデザインアワード2002」において佳作を受賞。新鮮なアイデアと機能性が評価され、2003年に商品化が実現しました。
この消しゴムの特徴は、なんといっても「カド」が多いこと。その数なんと28個! それは、真新しいカドで消すときの快感を何度も体験できる喜びをユーザーにもたらします。しかも、細かなところまでキレイに消せる。用途がわかりやすく誰もが共感できるという、シンプルでありながら創造性の高いコンセプトのもとに生み出された作品です。

作品を実際に商品化するにあたり、コクヨではさまざまな検証と検討を行いました。まずは、形状について。形状は受賞作そのままのものを採用しています。10個のキューブがまるでチェッカーフラッグ(市松模様)のように並び、ひと目で「カドがたくさんある」ことがわかります。次に品質について。斬新なデザインを活かしつつユーザーの満足いく品質を維持できるかを追及しました。キューブがちぎれない硬さを確保し、さらに消しやすく、消しクズがまとまりやすいなど、こだわったのが素材です。何度も繰り返し試作品をつくり、その都度ユーザーへのモニタリングを行いながら使用感を検証しました。

ネーミングは、大切な要素のひとつとしてインパクトがあり、耳に残る名前であることが重要です。作品当初「カドケシゴム」という名前でしたが、4文字構成でどことなく四角さを感じさせる「カドケシ」をネーミングに採用しました。商品ロゴも四角いイメージにこだわり、パッケージも形状が見やすいように高透明な素材をチョイスしました。こうして「カドケシ」はさまざまな工夫が盛り込まれ、コクヨ製品として完成し、満を持して世の中に発表されました。

発売からわずか1年足らずでミリオンセラーを達成。使い手側の思いをくみ取った同作は、「グッドデザイン賞」など数々のデザイン賞を受賞しました。また、発売から9年が経ったいまでも「ニューヨーク現代美術館(MoMA)」のミュージアムショップで販売されるなど、多くの人々から高い支持を受けています。

「カドケシ」がそうであるように、デザインにパワーがあればいままでの既成概念をいっぺんに変えることもできるのです。これからも、世間をあっといわせるような素晴らしい作品を商品化していきたいと思います。