商品化された作品

roll table

〈2011 グランプリ〉

芯材の周囲を紙でロール状に巻き込んだ構造。
絵や文字等を自由に書き込める子供用テーブル。

  • ロールテーブル
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ワークショップムービー: https://vimeo.com/85309634(Vimeo)


※生産終了


 

作品から商品へ


コクヨデザインアワード2011でグランプリに輝いた「roll table」。「家具と文具のあいだ」というコンセプトに加え、子供の「学び」を丁寧に観察して得た洞察をきっちりデザインに落とし込んだ作品として評価を受けました。


机に紙が巻かれているroll tableは、テーブルであり、ノートでもあります。家具と文具、というジャンルを超えた共同開発がスタートしましたが、問題は山積み。特に困難だったのが、ロール状の紙を角が丸くなった四角いテーブルに巻くことでした。どうしても紙をぴったり合わせて巻けず、たるみが出てしまいます。問題を解決したのは、紙工会社にある一台の機械でした。


その機械は、細かな設定が手動でできる古いタイプのもの。丸いものに紙を巻くときは、テンションが一定にかかればいい。しかし、四角の場合は巻き付けるときの動きがカクカクするので、一定のテンションではきれいに巻けません。何度もトライして、ロール紙の張力の調整を重ねながら、原紙を四角く巻くという難題に取り組んでいきました。


張力の調整と共に鍵を握ったのは、紙を巻くときにroll tableの内側にはめ込む木型。この木型の中心に穴を穿ち、そこに機械のバーを通して回転させます。軸とroll tableがぴったりと合わなければ、回転させたときにガタつき、紙がうまく巻けません。初期の軸は、roll tableとの間に隙間ができていました。そこに紙を詰めて、ガタつかないようにして巻いていましたが、徐々に軸の改良を進め、ガタつきを減らしていきました。


途中から、作者「神戸意匠操練所」の山内真一さん、二宮慧さん、天野文彰さんも加わり、アイディアを出し合い、一緒になって商品化を進めていきました。
「今回のプロジェクトを通じて刺激的な"学び"を得ることができています。製品化されたroll tableが多くの子どもたちの手に渡り、たくさんの笑顔を生むことを願っています」。(山内さん)


左)打ち合わせに臨む神戸意匠操練所の皆さん。 中)アイディアスケッチ。 右)試作品チェックの様子。

約2年の試行錯誤とさまざまなチャレンジの結果生まれた商品です。家具と文具の間の子という、実にコクヨらしい商品が誕生しました。