審査員

木住野 彰悟 / Shogo Kishino
6D-K代表
アートディレクター・グラフィックデザイナー
website : https://www.6d-k.com/
1975年東京都立川市出身。2007年にグラフィックデザイン事務所6D設立。
企業や商品のビジュアルアイデンティティをメインに、ロゴやパッケージデザイン、空間におけるサインデザインなど幅広く手掛ける。
主な受賞にD&AD、カンヌ、One Show、アジアデザイン賞、ADC賞、JAGDA賞、パッケージデザイン賞、サインデザイン賞 他国内外多数受賞。
『波紋』は、あなたの中にある「なぜか良い」と感じる感覚を、一石として社会に投じることを促します。それは、はっきりと言語化できないけれど、日々の暮らしや記憶の中から自然と立ち上がる、あなただけの価値観や感受性です。大切なのは、その曖昧だけれど確かな思いを信じて、一歩踏み出す勇気を持つこと。波紋が起きる瞬間には、強くて静かな力があります。デザインの力で心を動かす、そんな「最初の一滴」との出会いを心から楽しみにしています。

田村 奈穂 / Nao Tamura
デザイナー
website : https://naotamura.com/
Parsons School of Designにてコミュニケーションデザインを学んだ後、工業デザインを専門にするSmart Design(米)を経て独立。 現在はニューヨークを拠点に、プロダクトからインスタレーション、空間デザインまで幅広く活動中。自然とテクノロジー、感性と機能性、繊細さと力強さ、2つの点のバランスが取れたデザインを探求し、作品はパリPalais De Tokyo美術館からミラノサローネ家具見本市など発表場所は多岐に渡る。国際的なアワードを多数受賞。
今年のテーマ『波紋』は、まるで雨が降り注ぐように、たくさんの小さな気づきを柔軟な発想で生み出すことを期待しています。いきなり大きな波紋を狙うのではなく、あなた自身の日常や身近な不便さ、大切な誰かのための「自分ごと」から生まれるアイデアにこそ、多くの人に共感される大きな波紋が宿ると信じています。あなたの「一石」が、新たなスタンダードとなるような、心揺さぶる作品との出会いを楽しみにしています。

森永 邦彦 / Kunihiko Morinaga
ANREALAGE
デザイナー
website : https://www.anrealage.com/
ファッションブランド「ANREALAGE」デザイナー。1980年、東京都国立市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。大学在学中にバンタンデザイン研究所に通い服づくりをはじめる。2003年「アンリアレイジ」として活動を開始。2014年よりパリコレクションへ進出。2019年フランスの「LVMH PRIZE」のファイナリストに選出、同年第37回毎日ファッション大賞受賞。2020年伊・FENDIとの協業をミラノコレクションにて発表。2021年ドバイ万博日本館の公式ユニフォームを担当、2023年・25年ビヨンセのワールドツアー衣装をデザイン。2024年メンズレーベル「anrealage homme」を始動
日常と非日常の境界に立つような、まだかたちになっていない「一滴」を投じる、それが今回のテーマ『波紋』に込められた想いです。ファッションはもともと1人の心に深く届くもの。だからこそ、多くに届けようとするより、まずは誰か1人を動かすような強さを持つことが大切です。時代に流されず、個人の内側から生まれる小さな感覚や体験を信じて、未来に変化を起こすデザインに出会えることを楽しみにしています。

柳原 照弘 / Teruhiro Yanagihara
Teruhiro Yanagihara Studio
デザイナー
→ More Info
website : https://tystudio.fr
柳原 照弘 / Teruhiro Yanagihara
Teruhiro Yanagihara Studio
デザイナー
website : https://tystudio.fr
神戸と仏アルルにスタジオ兼ギャラリースペース「VAGUE」を構え、日本・フランス・イギリス・オランダ・台湾を拠点に国やジャンルの境界を越えたプロジェクトを手がける。インテリアデザイン・プロダクトデザイン・クリエイティディレクション・アートディレクションなど包括的な提案を行う。
単なるモノの形ではなく、強烈な思いと、それが社会へどう広がるかという可能性です。驚きを生むような強い波紋、そしてそれが世界中の人々に共感され、それぞれの場所で新たな波紋を生み出すようなデザインを期待しています。アートが一点の強さで人々を引き込むのに対し、デザインは多くの人に届き、社会全体に影響を与えます。あなたのデザインが、世界中で小さな波紋となって広がり、混ざり合うような未来を見せてください。その力強い『波紋』を心待ちにしています。

吉泉 聡 / Satoshi Yoshiizumi
TAKT PROJECT 代表
デザイナー
website : taktproject.com/
デザインを通して「別の可能性をつくる」実験的な自主研究プロジェクトを行い、国内外の美術館や展覧会で発表・招聘展示。
その成果をベースにクライアントと多様なプロジェクトを展開している。
主な受賞に、Dezeen Awards Emerging Designers of the year 2019(イギリス)、Design Miami/ Basel Swarovski Designers of the Future Award 2017(スイス)、FRAME Awards(オランダ)、iF Design Award Gold(ドイツ)、Red Dot Design Award(ドイツ)、German Design Award(ドイツ)、第25回桑沢賞など。3つの作品が、香港の美術館M+に収蔵されている。23年、21_21 DESIGN SIGHT企画展「Material, or 」の展覧会ディレクターを務める。
『波紋』は結果として生まれるものであり、自らの手元で起こるものではありません。大切なのは、「自分なりの一石」をどう打つか。その強さや深さが、他者へと自然に広がる波紋を生むのだと思います。頭の中は思い込みが多いものです。自身のリアルな体験を起点にすること。そこで得た気づきを丁寧に掘り下げることで、「感じる」という主観は、やがて他者と交わる客観的な力を持つはずです。世界を新鮮に感じ直すそんな視点。そこから生まれる作品を楽しみにしています。

黒田 英邦 / Hidekuni Kuroda
コクヨ株式会社
代表執行役社長
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黒田 英邦 / Hidekuni Kuroda
コクヨ株式会社
代表執行役社長
1976年、兵庫県芦屋市出身。2001年コクヨ株式会社入社。コクヨファニチャー株式会社代表取締役、コクヨ株式会社専務を経て2015年にコクヨ株式会社代表取締役社長に就任、2024年にコクヨ株式会社代表執行役社長に就任、現在に至る。
デザインは、ひとりの意志や感性が形となり、社会に波及していく力を持っています。今年のテーマ『波紋』には、そんな広がりの可能性を信じたいという想いを込めました。コクヨはこれまで、プロダクトを通して人々の働き方や学びの環境に変化をもたらしてきました。あなたの中にある気づきや違和感、まだ言葉にならない想いを、ぜひ"一滴"として投じてください。その挑戦が、未来を動かすはじまりになると信じています。