ニュース

2023.12.25

最終審査に向けて、審査員メッセージを公開。

先日公開したコクヨデザインアワード2024のファイナリスト作品について、今年の2次審査会作品の傾向や、最終審査に進む作品へのブラッシュアップの期待について、審査員のみなさんよりメッセージが届きました。

  • 審査風景
  • 審査風景
  • 審査風景
  • 審査風景
  • 審査風景
  • 審査風景

〈 審査員メッセージ 〉

木住野 彰悟(6D-K代表 / アートディレクター・グラフィックデザイナー)

「primitive」というテーマは、審査をしていて非常に難しいテーマだと感じました。審査のポイントとしては、テーマに込めた「本質の再定義」という部分を強く意識し、より根源的に深堀りしているかにフォーカスしました。「元々こうだったのでは?」「そもそもこうあるべきなのでは?」と感じさせる作品を評価しています。2次審査の段階ではアイディア(カンプ)での審査で、デザインはここからが重要で、ここからが本番です。細かなディティール、形状、手触りをどうするかで良いアイディア、コンセプトも良くも悪くもなってしまいます。
モックアップでのブラッシュアップを期待しています!

田根 剛(Atelier Tsuyoshi Tane Architects 代表 / 建築家)

テーマ「Primitive」から発せられる、僕らの意識が発生する以前のDNAの根源に響きを与えるような作品に何か惹かれました。そこには僕らがモノを道具や機能として捉える以前の、根源的な人と物の関わりを考えさせてくれるものがありました。最終審査はモックアップでのクオリティーも審査します。実現性だけでなく、モノとしての魅力や質感へのこだわりなど、未だ見ぬ作品に出会えることに期待が高まります。

田村奈穂(デザイナー)

今回の審査では、「モノはこうあるべき」という固定概念を一度捨て、作り手が作品を通してまいた種を使い手が育てられるような作品を意識しました。作り手と使い手が一方通行な関係ではなく、そのモノを通して作り手も受け取った人も何か新たなモノを作る、あるいは考える「道具」の様な作品を意識して審査しました。 最終審査では、「どうしてこれを作ったのか」という発想から育つストーリー性、そしてそのストーリーを通して伝わる造形力。その2つのバランスに注目したいと期待しています。

柳原 照弘(デザイナー)

今回の「primitive」というシンプルなテーマを受け、コンセプトも本質的な部分へアプローチした作品が揃い、これまでよりも違いを見出すのが難しいと感じました。形状もシンプルなものが多く、ストーリーを重視した作品が集まりました。
2次審査では、製品を使うまでのプロセスで起きる欲求や、なぜそれを製品として求めているのか、を意識して審査してます。
ファイナリストの皆さんには、プロトタイプの精度とシンプルな形を補うストーリーテリングが磨き上げられることを大いに期待します。

吉泉 聡(TAKT PROJECT 代表 / デザイナー)

作品全体を通して、はじめはインパクトがやや小さかったのが正直な感想です。
しかし、2次審査会でさまざまな視点で議論を重ねる中で、印象がより濃いものへと変わっていきました。
primitiveを掘り下げると、同じような着眼点になったり、余計なものがそぎ落とされ、ともすると凡庸な提案となる難しさがありますが、根源のユニークな発見がなされた作品がファイナリストに残ったのだと感じています。
最終審査では、2次審査の提案がそのまま形になるのではなく、アイディアが深まったり、実体がある事で伝わってくる強さがある事を楽しみにしています。

黒田 英邦(コクヨ株式会社 / 代表取締役社長)

今年は、例年にも増して多くの皆さんにチャレンジいただき、うれしく思っています。作者の描くそれぞれのprimitiveについて、審査員それぞれの視点から議論された非常に興味深く、有意義な2次審査を経て、ファイナリスト10組が決定されました。
2次審査のプレゼンテーションシートだけでは、表現しきれなかったアイディアを、できる限り具現化させて最終審査に臨んでいただくことを期待していますので、ファイナリストの皆さん、ぜひ頑張ってください。