商品化された作品

なまえのないえのぐ

〈2012 グランプリ〉

色に対する固定概念をなくし、 自由な発想でおえかきを楽しめる絵の具です。

  • なまえのないえのぐ
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作品紹介ムービー: https://youtu.be/2TsMWlKjtes(YouTube)

ワークショップムービー: https://youtu.be/JQZphXx9-RY(YouTube)

受賞アワード:
London International Awards (2016):Package Design(Grand LIA、金賞)
CANNES LIONS (2016):Product design lion、Design Silver lion(金賞、銀賞)
ONE SHOW (2016):BEST OF DESIGN、GOLD(グランプリ、金賞)
D&AD (2016):Graphite Pencil (銀賞)
ADC(ニューヨーク) (2016):Silver Cube(銀賞)
iF DESIGN AWARD (2016):(入賞)
ADFEST (2016):FINALIST(入賞)
Spikes Asia (2016):Design(銅賞)、Promo & Activation(入賞)


作品から商品へ


受賞時のプレゼンテーションシート

「水色」という色がある。でも蛇口から出てくる水は、そんな色じゃない。 作者「いま、もてき」の今井祐介さん、茂木彩海さんが幼少時に感じた疑問から発想された「なまえのないえのぐ」は、子どもの学びや創造力を大きく広げる作品として、コクヨデザインアワード2012のグランプリを受賞しました。

商品化にあたり、受賞作品の25色構成から10色に絞り込みました。黒は3原色を混ぜることで作れるので外しましたが、白については関係者で議論に。


「限られた本数の中で、ただ色を薄める機能として、白を残すことには反対でした。薄くするだけなら、水で薄めることができます。3原色のみで構成した方が、コンセプトが明確になると思いました」。(今井さん) 絵の具として考えると白があった方が使いやすいかもしれませんが、子どもたちが自分で考え、発見していくことを促す教育ツールと捉え、白をなくし、作品のコンセプトを明快に伝えることを優先させました。

なまえのないえのぐ

左)「○+○」という表記で配合を表現しているチューブ。 右)決まった10色の発色も、なかなか想定通りにはいかなかった。 例えばマゼンタとシアンの比率が1:1と1:2の配合では、事前の想定ほど色の違いが出ない。細かく配合比率を変えて検証し、最終的に1:2の比率を1:4に変更した。



絵の具のチューブやパッケージのデザインにも、商品コンセプトに基づいたこだわりが詰まっています。視覚的にコンセプトを伝えるため、チューブには「○+○」という表記で配合を表現。またパッケージには、開封前からチューブのデザインが見える透明のスリーブケースを採用しています。 ケースを透明にしたことで、持ち歩いて上下左右に揺れても絵の具の配置が崩れないよう、固定させる仕掛けが必要でした。一般的な絵の具の収納ケースには不透明の紙箱が使用されるので、ケースの中でバラバラになっても見えません。今回は、取り出しやすさを損ねることなく、絵の具を固定させる形状を検証し、ケース内部に装備しています。


また、パッケージに記された「なまえのないえのぐ」のロゴやコンセプトメッセージは、文字デザイナーの渡辺美里さんに手描きでデザインしていただいています。 「コンセプチュアルな商品なので、なるべく柔らかく伝えたかったんです。教科書のテキストも描かれている渡辺さんの字は、先生が黒板に書くような美しく芯がありながら、優しさがこもった字です。この商品を買ってくださる大人にも、使ってくれる子どもにも、両方に伝わることを考えたときに、先生が書くような字で表現されていると、すっと伝わっていくかなと思いました」。(茂木さん)


なまえのないえのぐ

パッケージ表面と裏面

作者のお二人は、この商品化のプロセスを通じて「なまえのないえのぐ」への思いを新たにしたようです。
「本業ではグラフィックデザインの仕事が多いのですが、プロダクトの世界の“価値は細部に宿る”という感覚を改めて実感しました。絵の具が落ちないように、また取り出しやすいように考えられたケースの繊細な工夫、安全上子どもが誤飲しても空気の通りが確保される凹凸のキャップ形状。見た目の美しさとは別に“人が触れる物として正しい形”になっているので、安心して使ってほしいです」。(今井さん)
「子どもの頃、人の顔を描くとき、何の疑問もなく『肌色』を使っていました。今から考えれば少し異常なことのように思います。もし小さい頃、この絵の具に出会っていたら、大げさに言えば未来が変わったかもしれない。日常使いしてもらうというよりは、人生の中で一度はこの絵の具を通ってほしい、そんな思いでいます」。(茂木さん)


コンセプト、ユーザーの使い勝手、品質、コクヨと作者が意見をぶつけ合い、練り上げた筋の通った商品になりました。ぜひ皆さんも手に取って、自分の色を見つける旅に出ませんか?