商品化された作品

パラクルノ

〈2002 優秀賞〉

画期的なアイデアで、新たに価値を与えたノートです。

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受賞アワード: GOOD DESIGN AWARD(2005):グッドデザイン金賞


応募時の作品
商品化された実物

作品から商品へ


ノートはコクヨの主力商品のひとつですが、誰もが使いやすいデザインである「ユニバーサルデザイン」を取り入れるのが長年のテーマでした。このユニバーサルデザインをテーマに公募したのが「コクヨデザインアワード2002」で、優秀作のひとつが「ripples note(リップルズノート)」です。これは、お札を数えるようにページをめくることができたら・・・そんなコンセプトのもとに生まれた作品。ノート小口に緩やかな角度をつけ、表裏どちらからでもページを開くことができるという画期的なデザインでした。コクヨでは、このアイデアを高く評価し、商品化を進めました。それが「パラクルノ」です。

商品化の際、難関となったのがその形状です。受賞作のデザインを忠実に再現することを目指しましたが、ページ1枚1枚を均等に広げることは至難の業でした。紙を斜めにずらす、均等にずらした状態で製本するなど数々の方法を試みた末、ノートを丸めた状態で、小口を裁断することにしました。その結果、右手でも左手でもめくりやすく、片方の手がふさがっているときも簡単にページをめくることが可能になりました。また、よりめくりやすい角度を探すために検証を重ね、もっともめくりやすいページが80枚であることを発見しました。

さらに、商品の特徴がひと目でわかるようにノートの断面をストライプ模様に。また、表紙は上下のツートンカラーとし、斜めカットが裏表両面に入っていることを強調したデザインにしました。

ほかにも、ノートの基本性能である書きやすさ・見開きやすさなどの仕様部分にもこだわりました。「キャンパスノート」で培われてきた技術を採用し、ほかでは真似することのできない、使いやすさを極めたノートに仕上げました。

ノートという誰にとっても身近でごく当たり前のように使用されてきた商品が、アイデアひとつで新しく生まれ変わる。そこにまた、プロダクトデザインの新しい価値が見出されます。