海外受賞者インタビュー
Guo Chenkai(カク シンガイ)
「Embrace Note」
2023優秀賞
Embrace Noteの罫線は、左から右へ徐々に薄くなっていき、余白と馴染んでいくことで柔らかな境界を創り出します。目的に応じて、ノートや手帳として柔軟に利用できるとともに、自然で少しの余韻のある書き心地をもたらします。
―― コクヨデザインアワードに応募しようと思った理由を教えてください。
コクヨデザインアワードについてはデザイン関連のメディアで知りました。20年も開催されており、その多くの受賞作品が私にヒントを与えてくれました。自分にとって挑戦に値することだと思いました。
―― ファイナリストに選ばれたことを知った時はどんなことを思いましたか?
非常に驚きました。最終審査に臨むにあたって模型制作が必要ですが、過去の作品を見るといずれも高い完成度を持っていると感じました。限られた時間の中で、自分自身も質の高い作品模型に仕上げるために、計画をしっかり立てることが重要だと思いました。
―― 日本でのプレゼンテーションに不安はありませんでしたか?
特に不安はありませんでした。渡航にあたって必要になるビザの取得も専門のスタッフがサポートしてくれたのでスムーズでした。
また最終審査当日についてくれた通訳の方もプロフェッショナルな方で安心できました。
―― 最終審査会で印象に残っていることはありますか?
Embrace Noteはミニマルなデザインの作品です。審査員の方々がこの繊細な変化がもたらす心理的な反応に対して積極的な評価をしてくださったことは、大変嬉しかったです。
特に、柳原照弘氏と吉泉聡氏のコメントにより、Embrace Noteのシリーズ化の可能性について考えることができ、デザインの深化に更なる想像の余地が広がりました。
表彰式後には、審査員や他のファイナリストの皆さんとリラックスした雰囲気の中で交流もできました。
―― 実際に参加してみて、コクヨデザインアワードの一番の魅力は何だと思いますか?
コクヨデザインアワードが最も魅力的な点は、応募作品について自由度が高いことと、多様性と包容力のある審査の視点です。
―― 今後応募を検討する方に一言お願いします。
コクヨデザインアワードは日本を代表するデザインコンペティションであり、過去の受賞作品から多くのインスピレーションを得ることができます。一方で、作品の創作にあたっては公式化された思考ではなく、リアルな体験や感知に基づいて創作の入り口を見つけられるかもしれません。世界の異なる地域の皆さんが魅力的な作品を創り出されることを私も楽しみにしています。