UNIVERSAL DESIGN ユニバーサルデザイン

コクヨには、できるだけ多くの人にとって使いやすい製品を目指して開発された、
たくさんのユニバーサルデザイン製品があります。

プニョプニョピン誕生秘話
画びょうをもっと安心して、使える道具にしたい。
コクヨのユニバーサルデザイン商品群の中でも、可愛さでは一、二を争うプニョプニョピン。誰でも使う道具なのに、針が付いている「画びょう」を、いかに安全な商品にするか。それに挑んだ開発者・田中茂一さんのお話を聞いてみました。
プニョプニョピン開発者田中茂一さん

2年をかけた商品開発。プニョプニョピンを画びょうのスタンダードへ。

そこでさらに改良を重ねるわけですね?
この柔らかいリング部分は、最初、シリコンを使ってたんです。だけど穴を開けないとなると、どうも上手くいかない。透明度はシリコンに近いものが欲しかったので、いろんな素材を探しました。苦労しましたよ、私自身、そういった軟質樹脂素材を扱ったことがなかったもので…。
一体、どうやって探したんです?

もう、あちこちのお店でひたすら、透明なもの、柔らかいものばかり見て歩きました。赤ちゃん用のスプーンやら吸盤、ヘッドが柔らかな樹脂でできている歯ブラシだとか。スイミングゴーグルの縁の部分やウオノメパッドまで見ましたね。それを樹脂素材メーカーさんに見せては「これ、何ですか?」の繰り返し。

さらに外観上の問題、製造上の問題、コスト面での問題、それに経年変化や、長時間刺したままにしておくとどうなるか?それを検討するのに20種類もの素材を試しました。結局、採用したのがエラストマーです。

エラストマー、って何ですか?
簡単に言うと、プラスチックにゴムを混ぜたもの。ゴルフのドライバーのグリップだとか、カメラのアイカップにも使われてます。
で、ようやく出来上がり。かと思ったら、
まだまだ、だったんですね。
実は、試作段階では製造上の問題で、逆向きに作られたものがあります。リングが針の周りをガードするんじゃなくて、反対側、つまり指で押すヘッド部分をぐるりと囲んでる。針はむき出しなわけです。その金型で逆向きに作っておいて、これをいちいち手作業でひっくり返してたんですよ。
試作段階のプニョプニョピン
それからさらに試行錯誤の末、最初から現在の製品のカタチで作りあげることに成功しました。
これでついに、プニョプニョピンってネーミングに
ぴったりのカタチになってきました。
プニョプニョピンという名前はですね、開発メンバーであれこれ案を出し合ってるときに出たアイデアなんです。他には「ぷっちゅピン」「リングピン」「ラッピン」なんていうのがありましたね。ラップに包まれたような感じだからというので。
でもやっぱり、プニョプニョピンが一番だな。
そうですね。お客様に買っていただくとき、リングカバーが柔らかいってイメージが伝わりやすいし、一度聞くと忘れられないインパクトもありますものね。このネーミングは正解だと思っています。
こうして開発スタートから商品化まで2年がかりの
大プロジェクト。これって、かなり長いほうですよね。
たかが画びょうなんですけど、開発が進むに連れていろいろと問題が出てきて、気がついたら2年かかっちゃいました。
そのかいあって、発売後の反響は上々です。
ありがたいですね。この商品が画びょうのスタンダードとして定着してくれるといいな、と楽しみにしています。これを励みに、これからも、こういったユニバーサルデザインを切り口にした新製品の開発を続けていきたいですね。

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