UNIVERSAL DESIGN ユニバーサルデザイン

コクヨには、できるだけ多くの人にとって使いやすい製品を目指して開発された、
たくさんのユニバーサルデザイン製品があります。

パラクルノ誕生秘話
どんなときでもめくりやすいノートを作りたい
それは上から降りてきた、実現困難な課題でした。村上智子さんたち開発スタッフは、一時はサジを投げかけます。 それでも、あちこちの工場や機械メーカーを訪ね歩き、苦労の末、ついにユニバーサルデザインのノート、『パラクルノ』の市販にこぎつけたのでした。
パラクルノ開発者村上智子さん
キャンパスノートといえば1975年発売と、すでに30年以上の歴史を誇る老舗ブランド。そのシリーズの中で、この『パラクルノ』はいつ発売されたんでしたっけ?
2004年のことですね。
それは、キャンパスノートの派生型として?
いえ、もともとパラクルノは、その2年前、2002年に行なわれた「コクヨデザインアワード2002ユニバーサルデザイン」の優秀賞受賞作品だったんです。
キャンパスノート
ノートがユニバーサルデザインの対象になったわけですか?
ノートって子供から大人まで誰もが使っている商品ですよね。でも、例えば指に油分がないときだとか、手や指に怪我をしているとき、とってもめくりにくくなるんですよ。それじゃあ、どんなときでもめくりやすいノートを作れないだろうか、というのがこの受賞作品のそもそものアイデアだったんです。
へえ、これがそのときの受賞作品、オリジナルですか。
こんな風に手作業で、ノートの端を斜めにカットしてるんですね。イメージとしては、お札を数えるときに扇形に開いて親指でパラパラッとやる、あの感覚ですね。
受賞作品のオリジナル
なるほど、ちょうど真ん中のページまで、カッターか何かで右端をカットしてあって、裏返すと今度は、最後のページから真ん中まで左端をカットしてあります。
で受賞してすぐ、上層部から開発部に「これを商品化せよ」と言う指令が来たのですが…。
それはそうでしょ、栄えある受賞作品ですもん。
難しいんです。
え?
ちょっとづつ、ずらしながら斜めにカットしていくだけでも難しいんですが、真ん中のページで対称的にカットの方向が逆になる「両面切り」でしょ。それが出来る製作工場が、見つからないんです。
パラクルノについて話す村上智子さん
そうか、それまでそんな需要はないですもんね。

いろんな工場を訪ね歩いて、そこから機械メーカーさんを紹介してもらって、また相談に行って。

やっと何とかなりそうだなと思ったら、今度はコスト面で全然折り合いがつかなかったり、すでにパテント(特許)で押さえられてたり…。

そりゃ大変だ。
もう、あきらめかけてたんですよ。ちょうど同じ頃、やはりデザインアワードを受賞した『カドケシ』の商品化が進んでまして、そちらのほうは割りと順調にいってたんです。こっちは、もう無理で〜す、みたいな。
あはは。でも、それじゃ許されないでしょ?
そうなんですよ。やっとのことで、引き受けてくれる製本・加工会社を見つけたときはホッとしました。
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