マテリアリティ決定プロセス

サステナビリティマネジメント マテリアリティ決定プロセス

コクヨグループでは、2022年度にマテリアリティをアップデートしました。2020年度は標準的なプロセスによりマテリアリティを特定しましたが、より本質的なマテリアリティの特定を目指して検討の軸に据えたのは「コクヨの実現したい社会像(自律協働社会)」です。
長期ビジョンおよび第3次中期経営計画「Field Expansion 2024」で定義した2つの戦略的事業領域における社会の影響を整理し直すことで現状を把握し、コクヨが2030年に実現を目指す社会の姿からバックキャストすることでギャップ分析を行い、「積極的に解決すべき課題」を「経済性」「社会性」に分けて導き出しました。

マテリアリティ決定プロセス

マテリアリティ決定プロセスの流れ

ESG:環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の頭文字

STEP1 ESG視点での課題の抽出

SDGs、MSCI、SASBなどを参考に環境・社会・ガバナンスにおいて34の重要なマテリアリティ候補を抽出しました。

  各視点 アンケート デスクリサーチ
ステークホルダー軸 消費者
重要顧客
投資家(MSCI・SASB)
国・自治体(成長戦略)
自社軸 商品・サービス・CSR項目のSDGs貢献度
自社開発部門
経営層 ディスカッション  
SDGs:Sustainable Development Goals
MSCI:Morgan Stanley Capital International
SASB:Sustainability Accounting Standards Board
CSR:Corporate Social Responsibility

STEP2 ステークホルダーへの影響分析

抽出したマテリアリティ候補項目について、「ステークホルダーにおける重要度」「自社における重要度」の2つの軸で調査を実施し、点数化した後で、両軸における点数が一定値を超えるものをマテリアリティ(重要課題)として特定しました。

マテリアリティマップ

STEP3 経営層によるマテリアリティの妥当性検討

その後経営層で、特定されたマテリアリティの妥当性を検討しました。

STEP4 マテリアリティと目標の設定

特定したマテリアリティを踏まえて、2020年に2030年目標を設定しました。

マテリアリティ 2030年目標
重要テーマ1
新しい働き方の提案
新常態における働き方提案とワークライフバランスのサポート 社員ひとりひとりが自律し、チームで課題解決する企業になっている
重要テーマ2
ダイバーシティ&インクルージョンの推進
ジェンダー、障がい、国籍など、多様性ある組織づくりによるイノベーション創出 多様な人財がそれぞれの個性・能力を発揮できる企業になっている
重要テーマ3
気候危機への対応
省エネルギー対策、再生可能エネルギー活用によるCO2の削減と森林による吸収 CO2吸収:6,000t-CO2以上/年の吸収量に貢献する
CO2排出量の削減:2013年比で2030年にCO2排出量を26%削減する
重要テーマ4
循環型社会への貢献
循環型経済の進展に向けサプライチェーン全体で人権に配慮し、省資源・廃棄物削減の推進 廃棄物(事業所、施工現場、棚卸在庫)のリサイクル率100%
調達方針のグループ全体での運用
重要テーマ5
自然共生社会への貢献
環境影響最小化のための、生物多様性保全、有害化学物質削減の推進 合法木材利用促進
森林保全(毎年150ha程度の間伐)
ヨシ原保全(毎年1.5ha程度のヨシ刈り)
2020年時点

マテリアリティのアップデート

2022年度は、2020年に特定したマテリアリティを踏まえて2030年目標達成に向けた進捗状況を確認し、さらに、コクヨが目指す自律協働社会(※)を実現するために必要な課題を認識すべく、マテリアリティのアップデートを行いました。

  1. 課題の抽出

    マテリアリティのアップデートに際して自律協働社会(※)をけん引し、あらゆる発想を無駄にしない会社になるために解決していく必要のある経営課題は何か?を検討の軸に据えて2020年度に設定したマテリアリティを見直し、改めてマテリアリティの特定作業を行いました。

    自律協働社会/コクヨの実現したい社会像:一人ひとりの価値観が尊重され、社会や人とのつながりも大切にされる社会。そうした社会では、人やモノ、環境がフラットにつながることで、社会をよりよくするための協働がたくさん生まれる。

    課題の抽出
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  2. 経済性と社会性の2軸で各課題を整理

    1.の検討結果をベースに、中計での戦略テーマを踏まえた不足要素を補完して個別の課題を抽出しました。さらに、個別課題を経済性と社会性の2軸でプロットし、各課題をより上位の課題としてまとめる形でマテリアリティをマッピングしました。

    経済性と社会性の2軸で各課題を整理している図

    SC:サプライチェーン

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  3. 再設定したマテリアリティを検討

    マテリアリティの位置づけを「SDGs実現のため」から、「実現したい社会像にむけた」経営課題として再設定し、それに応じた推進体制を構築しました。再設定したマテリアリティに対し、まずは2030年にありたい姿に基づいてその指標(KPI※)を設定しました。

    KPI(Key Performance Indicator):重要業績評価指標

    マテリアリティ一覧
    2021年以降
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  4. サステナブル経営会議にて議論、課題を決定

    CSV本部長が議長を務めるサステナブル経営会議で議論し、課題の決定を行います。「価値協創ガイダンス」のフレームワークを活用して投資家との対話を行い、意見を参考にします。また、社会環境や経営環境の変化に合わせて随時見直しを行います。

    1.課題の抽出へ戻る。
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