コクヨのマテリアリティ
-重点課題1-
Well-beingの向上

コクヨのマテリアリティ 社内外のWell-beingの向上

重点テーマ 1 Well-Being

基本方針

Well-beingは、人々の「幸福」「健康」を意味します。コクヨでは、社員のワークライフバランスの実現や新たな働き方の推進、そしてジェンダー、障がい、国籍など多様性ある組織づくりによるイノベーションの創出を通して、Well-beingの向上を図ってまいります。また、インクルーシブデザインの商品開発を通じて、社会のWell-beingを創出してまいります。推進にあたり、「新しい働き方の提案」「ダイバーシティ&インクルージョン&イノベーション」の2つのテーマに取り組んでいきます。

コクヨが2030年までに目指す姿

2023年実績 2024年目標 2030年チャレンジ目標 アウトカム
  • 有給休暇取得率
    61.7% 国内主要5社
  • 指導的地位の女性比率
    9.3% 国内主要5社
  • インクルーシブデザインの開発件数:3件
  • 管理職・従業員の有給休暇取得率 100%
  • 指導的地位の女性比率 12%
  • インクルーシブデザインを経た新シリーズ
    上市率20%以上
  • ライフベーストワーキングを社会に提案、浸透させ自分らしく生きる人を増やしている
    多様な働き方の選択肢の挑戦数(時間、女性活躍など)
    27挑戦(3挑戦/年×9年)
  • 社会のバリアをなくし、活き活きと働き学ぶ人を増やしている
    インクルーシブデザインを経た新シリーズ上市率50%以上
イノベーションを生み、多様な人と社会のWell-beingを向上させる

コクヨでは、自分らしい働き方・学び方・暮らし方のバランスが整っている状態を「Life Based Working」と定義付け、活き活きと働き学ぶ人が増えている社会の実現を目指して、2030年のチャレンジ目標とKPIを設定しています。

  • 多様な働き方の選択肢の挑戦数(時間、女性活躍など)27挑戦(3挑戦/年×9年)
  • インクルーシブデザインを経た新シリーズ上市率50%以上

社内のWell-beingを向上するため、時間に対する価値観の変革、人材活性化と成長支援に取り組んでいきます。ワークスタイルを提案する企業として、多様な働き方を実践すると共に、一人ひとりが自らの可能性を高めて豊かなキャリアを形成できる環境整備を行います。

また、障がい者を始めとした社会のバリアに阻まれている人と企画段階から共感・共創し、新たな課題を発見・解決する「インクルーシブデザイン」手法の商品開発を推進し、社会のWell-beingの向上に貢献します。

目標達成に向けた施策

社内のWell-being向上のために、2022年より開始した「コクヨ式ハイブリッドワーク」を引き続き推進していきます。
サテライト型の社員向け多目的スペース「n.5(エヌテンゴ)」の活用のほか、2024年は育児介護とキャリアの両立を目的とした自宅以外でのリモートワークのトライアル等、多様な働き方の実験を行います。新しい働き方を通じて可処分時間を創出し、社員一人ひとりが自分らしく豊かなキャリアを形成できるよう後押しします。
また、社外のWell-beingを高めるために、2024年はインクルーシブデザインの商品開発を加速していきます。ダイバーシティオフィス「HOWS PARK」をインクルーシブデザインの実証実験の場として活性化し、多様な個性を持つ社員が刺激し合いながら、インクルーシブなモノ・コトの創出に挑戦します。さらに、コクヨらしいインクルーシブデザイン、対話を通じたダイバーシティオフィスの設計手法を社会に提供し、多様な人と社会のWell-beingの向上につなげていきます。

社員の可処分時間獲得に向けた価値観変革

可処分時間の獲得に向けて、「業務フォローアップ」「1on1」「休み方の支援」の3つのテーマでマネジメント改革に取り組み、働き方・時間の使い方の変化につなげています。
業務のフォローアップ活動では、メンバーの業務状況を上司がタイムリーに把握し、業務調整やリソース投入を行い、組織単位での業務平準化・効率化を推進しています。あわせて、有給休暇の取得推奨日を設定し、計画的な休暇の取得について上司部下での対話を実施しています。これらの対話を効果的に行うためには、風通しの良いコミュニケーションが欠かせません。自社に適した1on1の頻度・環境・ツールを検証し、「コクヨらしい1on1の型」を設定して全社で実践しています。
また、コクヨグループでは物流業界における働き方改革にも積極的に取り組んでいます。コクヨロジテムに続き、コクヨサプライロジスティクスにおいても、配送センター勤務者を含む全員にフレックスタイム制度を導入しました。このように繁閑に応じて業務時間を自律的に選択できることは、社員の可処分時間の創出につながるだけでなく、心身的な負担の軽減も期待されるため、Well-beingの向上にも寄与しています。

有給休暇取得率:国内主要5社

多様で豊かなキャリア形成に向けて

多様な人材の活躍を測定する指標として、マテリアリティ目標の1つに「2024年 指導的地位の女性比率12%」を設定しています。
育児や介護によるキャリアの中断をボトルネックにしないために、制度の改正や両立支援策の拡充を実施しています。子の看護休暇は対象年齢を小6まで拡大し、介護休暇は取得要件を緩和しました。あわせて、産休・育休者の評価運用方法を見直し、評価の空白期間が生じることを解消した上で、継続的な能力の蓄積度の把握とフィードバックを実施しています。
また、国際女性デーの時期に合わせて、女性のライフとキャリアの充実をテーマとしたイベント「Life&Career Day for Women」を開催しました。イベントには性別を問わず多くの社員が参加し、ゲストスピーカーの講演、育児と仕事の両立に取り組むコクヨ社員によるパネルディスカッションを通じて、自身のキャリアとライフについて考える機会となりました。今後も、社員一人ひとりが自らの可能性を高めて豊かなキャリアを形成できるよう、様々な支援を行っていきます。

インクルーシブデザインの推進

コクヨでは、事業部横断のタスクフォースを組成し、グループ全体でインクルーシブデザインを推進しています。社会起業家・ソーシャルデザイナーの田中美咲氏に伴走いただきながら、コクヨらしいインクルーシブデザインの取り組み方針「HOWS DESIGN」を策定し、対外的にも発表しています。
HOWS DESIGNは、相手を思いやる「HOW are you?」の気持ちと、ともに未来を探索する「HOW will we do?」の姿勢を大切にしたデザインアプローチで、多様な「HOW?」から生まれる対話を通して豊かな共創を育むことを目指しています。コクヨではHOWS DESIGNから生まれたプロダクトやサービスにオリジナルマークを付与しており、2023年にはこのマークの付いた新商品を3アイテム発売しました。いずれのアイテムも、特例子会社コクヨKハートの社員をはじめとして、社内外のさまざまな障がいを持ったメンバーとの対話を重ね、障がいの特性や多様性に配慮した設計・デザインに挑戦したものです。また、タスクフォースではインクルーシブデザインの開発推進だけではなく、HOWS DESIGNのウェブサイト開設や社員へのユニバーサルマナー研修、ダイアログ・イン・ザ・ダーク※といったワークショップの開催など多岐にわたる活動を行っており、いずれも社外のさまざまなパートナーとの共創活動です。
2024年は新製品の20%をHOWS DESIGNのプロセスで開発することを目指しており、昨年開設したダイバーシティオフィス「HOW SPARK」にデザイナーやマーケッター、開発者とリードユーザーが集まり、ワークショップが日々開催されています。ワークショップは、2023年の開設以来のべ62回開催されており、2024年は既に2アイテムを上市しています。「インクルーシブデザインを経た新シリーズ上市率50%以上」という2030年のチャレンジ目標に向けてさらなる推進を図ってまいります。

HOWS DESIGN コクヨではHOWS DESIGNから生まれたプロダクトやサービスに、このマークを付与しています。

カウネットのHOWS DESIGN 商品開発ストーリー

カウネットのオリジナル商品「カウコレ」プレミアムのコア商品の一つに、封筒やゴミ袋などの備品がスムーズに取り出せる「取り出しやすい」シリーズがあります。その「取り出しやすい」にこだわった商品は、果たして握力や指の力が弱い方や上肢障がいの方にとっても本当に取り出しやすいのか、カウネットのHOWS DESIGNはここからスタートしました。販売中の取り出しやすい商品はおよそ200種。20種類以上の箱・袋で検証し、何度も試していただく中で、そもそも「取り出しやすい」の前に「開け口がどこかわかりにくい」「力を入れないと開かない」「片手では開け口がビリビリになる」など、取り出し口が「開けづらい」という問題があることが判明しました。取り出し口づくりから「取り出しやすい」は始まるんだと、目からうろこの瞬間でした。開けやすさは、8種類のジッパー形状を3種の紙で比較し、「段ボールの場合はこの太さが開けやすい」、「これは途中で手が疲れてしまう」など、一つひとつ検証しました。また、「レターケースに入れた状態」や「視点が低くなる車いすユーザー」からの取り出しやすさについても検証を重ねました。「途中までは取り出しやすいんだけど、最後がちょっと・・・」となった試作品は、その場で箱を切り貼りして試行錯誤を重ねました。その結果、「取り出しやすい」シリーズのHOWS DESIGN 第一弾である封筒と、一目見ただけでどこから開けるのかわかりやすい視認性と、軽い力でも切り取りやすいジッパーが完成しました。使用後に箱を潰しやすくするための切れ目も入っており、「最初から最後まで使いやすい」を意識した商品が出来上がりました。

カウネット
商品開発部 部長

青井さん

voice

社会課題解決に向けた熊本市との取り組み

コクヨは、働き方改革の推進に注力する熊本市と共に課題解決に取り組んでいます。熊本地震や新型コロナウイルス、DX推進などを背景に業務が複雑化する中、民間の知見を生かしてサービスの質や職場環境を向上させるのが目的です。コクヨの持つ空間構築能力と購買業務改善という強みを活かし、ワークスタイルの刷新をサポートしました。具体的には、今後の執務レイアウトの検討や執務環境改善に繋げるべく、オフィスリニューアルの実施や、グループアドレスの導入支援、消耗品の集約システム支援、および購買業務の効率化支援です。
デジタル活用することで業務工数が大幅に減少するとともに、新たに提供された業務に対して多様な人材がインクルーシブに働ける機会が増えました。

野口さん

熊本市 総務局
改革プロジェクト推進課
主査

野口さん

石井さん

コクヨマーケティング
Bサプライ事業本部
官公庁営業開発部 第1G
グループマネージャー

石井さん

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