PROJECT

香りによるコミュニケーション時の
行動変容ソリューション
テックファーム株式会社・技術協力|ソニー株式会社

OPEN LAB.が取り組む行動変容ソリューションとは?

コクヨでは、オフィス家具や空間設計、働き方コンサルティングサービスなどを通じて、クライアントが目指す働き方を実現し、ワーカーの創造性や生産性を引き出すオフィスづくりを支援してきました。KOKUYO OPEN LAB.では、そこで培われたノウハウに加え、新たなテクノロジーやシステムを取り入れることで、より導入しやすく、ワーカーにとってもポジティブな行動変容の仕組みを模索しています。

その中で今回着目したのが、「コミュニケーション」における行動変容。近年、働き方改革やコロナ禍の影響による働き方の多様化や働く場の分散化が進むなかで、ワーカー同士のコミュニケーションが希薄化し、関係性の構築が難しくなっています。

そうした状況下では、会議や面談で意見を言いづらい/引き出しづらい、メンバー間で共通認識を持ちづらいというシーンが増え、会議や面談が上手く進行しないことに課題感を持っている企業・ワーカーも少なくありません。

コミュニケーションの質測定と、シーンに応じた香りの提示

私たちは、このコミュニケーションの課題を定量的に把握するため、テックファームの5GやAIを活用した映像・音声データの複合的な分析に関する知見をもとに、会話・面談などコミュニケーション時の音声を解析し、話者ごとの発話量や会話内容のポジティブ/ネガティブ比率などを可視化しました。

しかし、この結果をそのままワーカーにフィードバックすると、状況把握にとどまり、行動変容に繋がらない可能性があります。そこで、本検証では行動変容のトリガーとしての「香り」に着目しました。

ソニーの技術協力により専用開発した香り噴出デバイスを用い、シーンに応じた「香り」を提示することで、話者ごとの発話量の偏りを是正したり、会議が停滞した際には場を活性化したり、あるいは、和ませたりすることが可能か、検証を進めてまいります。

なお、シーンに適した香りを提示するためのプログラム構築もテックファームが担当。例えば、場の発話量が一定数を下回ると場を盛り上げる香りを噴出する、疲労に関連する特定のワードを捉えると休憩を促す香りを噴出するなど、あらかじめ設定された条件によって、適した香りを提示します。

今後の展望

今後の展開として、まずは当システムを用いて、コクヨ品川オフィスTHE CAMPUSで働くワーカーを対象に実証実験を行い、オフィスでのコミュニケーションにおける香りを用いた行動変容の効果を明らかにしたいと考えています。

OPEN LAB.で取り組む一連の行動変容に関する検証において、ワーカーに負担の大きい形で行動の変更を強いるのではなく、「自然と楽しく行動が変わる」ということが私たちが目指す姿です。

オフィスと香りの組み合わせに関しては、これまでもリラックス効果の文脈でアロマオイルやアロマウォーターを取り入れる動きがありました。本検証では、リラックス以外の「香り」の効用について可能性を模索し、働く空間へ還元してまいります。

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