環境

環境経営

地球温暖化や森林資源の減少をはじめとする地球環境問題の解決を緊急課題と認識し、この課題解決に全従業員が英知を結集して行動を起こしていきます。

コクヨグループ環境方針(2025年4月改定)

「持続可能な社会」を構築するには、「脱炭素社会」、「循環型社会」、「自然共生社会」に向けた取り組みを統合した活動を実施していく必要があります。その具体的な活動事項として「コクヨグループ環境方針」を定めています。この度、社会的な要請や経営の指し示す方向性を反映させるため、本方針の見直しを図りました。2025年4月の改定では、重点課題である「気候危機への対応」「循環型社会への貢献」「自然共生社会への貢献」に、従来からの環境保全対策である「法順守と汚染の予防」を加えた4項目を「環境課題」とし、それらに対する行動の指針となる「創造と創意工夫の発揮」「共感・協働・共創の拡張」「管理・仕組みの強靭化」の3項目を「仕組み・取り組み」とする構成へ変更しました。また、より具体的な活動を想起できるように、各々の項目の内容の充実を図っています。この「コクヨグループ環境方針」を基に各事業会社がそれぞれの事業の特性に沿った目標を展開し、環境パフォーマンスの改善に努めていきます。

コクヨグループ環境方針
持続可能な社会の実現のため、温暖化や資源枯渇、生物多様性保全などの地球環境問題を全世界共通の永続的課題と認識し、コクヨグループが率先し、事業活動に関わる様々な人達の英知を結集することで、この課題解決のため行動を起こす。

環境課題

  • 気候危機への対応
    脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーの利用拡大、効率的なエネルギーの使用、環境保全活動によるCO2吸収に努めるとともに、サプライチェーン全体で温室効果ガス排出量の大幅な削減に取り組みます。
  • 循環型社会への貢献
    循環型経済の進展に向け、省資源の徹底および廃棄物のリサイクル率向上、ライフサイクルの各領域において資源循環に配慮した商品・サービスの開発、個々人にあった捨てないライフスタイルの提案を通じ、「捨てない社会」の実現に取り組みます。
  • 自然共生社会への貢献
    生物多様性を含めた自然資本の回復に向け、森林由来の資材の調達に関して合法性・透明性・持続可能性へ配慮するとともに、有害化学物質の削減、資源生産性の向上や水資源の効率的利用により、生態系に及ぼす環境影響の最小化に取り組みます。
  • 法順守と汚染の予防
    各国・各地域の環境関連法規はもとより、当社が同意した業界等の指針、ステークホルダーの要請やグローバルなイニシアチブヘの賛同によって求められる基準を順守することにより、環境汚染の予防に努めます。

仕組み・取り組み

  • 創造と創意工夫の発揮
    環境に配慮した製品・サービスの提案活動を推進するとともに、より環境性能を高める技術、ワークスタイルやライフスタイルに関する事業活動を、創造的なアイデアをもって運営することにより、地域や社会の課題解決に貢献します。
  • 共感・協働・共創の拡張
    積極的に環境情報を開示し、お客様・社外の皆様とのコミュニケーションを図るとともに、グローバルなイニシアチブへの賛同、業界団体や事業を取り巻くさまざまなステークホルダーとの協力関係を強化することにより、環境保全活動の輪を拡げます。
  • 管理・仕組みの強靱化
    環境に対し有益な影響を創出し続けるために、方針や目標を定め、環境パフォーマンスの向上に努めるとともに、ナレッジの蓄積や応用、啓発・教育活動を通じた人材育成を推進することにより、環境マネジメントシステムの継続的改善を図ります。

環境経営体制

2004年から環境マネジメントシステム(ISO14001)の登録範囲を国内の主要連結対象子会社に拡大し、企画・研究開発、製造、販売・サービス、保管・出荷を包括する統合認証システムとしています。運用においては、コクヨグループとしての一貫性を維持しつつ、比較的環境負荷の大きな事業会社および工場を「個別部門」、負荷の小さな事業会社を「共通部門」とすることで、規模に応じたマネジメントシステムとしています。また、各社の事業計画に即した環境目標を定めるなど、事業特性に合った環境管理が推進できるよう、独自性への配慮を心がけています。

この仕組みを維持運営し、環境課題の解決および社会課題の動向把握に努めるために「環境委員会」を設置していましたが、2022年からは、国内外で多様化・複雑化している環境問題にコクヨグループ全体で対応していくため、インテリアリテール事業のアクタス、特例子会社のハートランドを加えた「環境部会」として改編を行いました。「環境部会」では、マテリアリティ目標達成に向け、部門横断の3つのタスクフォース(気候危機、循環社会、自然共生)を設置しています。

環境部会図

マテリアリティ目標達成に向けた

3つのタスクフォース

気候危機タスクフォース

  • コクヨ
  • カウネット
  • コクヨ工業滋賀
  • コクヨMVP
  • アクタス

循環社会タスクフォース

  • コクヨ
  • カウネット
  • コクヨロジテム
  • コクヨサプライロジスティクス
  • コクヨマーケティング

自然共生タスクフォース

  • コクヨ
  • カウネット
  • コクヨマーケティング

環境教育

コクヨグループは、従業員の環境保全意識の向上、環境目標達成に必要な知識、事故・緊急時の対応や管理手法等の習得を目的に、ISO推進事務局が実施する環境関連法説明会、内部監査員の養成・スキルアップ研修のほかに各部門が独自で様々な環境教育を実施しています。なお、2023年に引き続き2024年も、全社員のサステナビリティへの理解を深めるために、『SustainableアカデミアWEEKS』という社内イベントを開催しており、プログラムのうち「循環型社会」セミナーでは359名(オンライン参加含む)もの従業員が参加しました。 また、2024年は石綿に関連する法規制の研修機会を増やしたため、「環境目標達成・法規制などに関する教育」の受講者が増加しています。

教育・訓練の種類 受講者数 ※各教育・訓練参加者の延べ人数
2022年 2023年 2024年
環境一般教育 2,611 3,466 2,628
環境目標達成・法規制などに関する教育 1,711 1,657 2,062
事故・緊急事態の対応訓練 234 316 303
内部監査員 17 17 52
その他 68 94 51
4,641 5,550 5,096
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Sustainableアカデミア「循環型社会」セミナー(コクヨ 東京品川オフィス)
Sustainableアカデミア「循環型社会」セミナー
(コクヨ 東京品川オフィス)
循環デザインワークショップ(コクヨ 東京品川オフィス)
循環ビジネスデザインワークショップ
(コクヨ 東京品川オフィス)
緊急事態(流出)の対応訓練(コクヨ 芝山工場)
緊急事態(※)の対応訓練
  • 危険物倉庫からの油漏れ
(コクヨ 芝山工場)

内部監査と第三者審査の結果

コクヨグループでは内部監査を、事業会社内で実施する第一者監査、およびISO推進事務局が主体となり実施する第二者監査の2段階で実施し、特に法順守状況のチェックに注力しています。2024年は第一者監査を6月18日〜8月7日、第二者監査を8月1日〜9月3日 、加えて、第三者(ISO14001)審査を11月25日〜12月6日にそれぞれ実施しました。内部監査では31件の指摘事項があり、そのうち1件は重大な不適合でした。これは一部のオフィス家具のリユース買取パートナーとの取り引きの中で、売却によって得られる収入より支払う運賃が上回ったケースがあり、このまま委託契約の締結なく収集運搬を継続すると廃掃法に抵触する懸念があることを指摘したものです。本指摘については、すでに委託契約の締結を行い是正しています。また、 2023年と比べ指摘が増加しているのは、内部監査員の裾野を拡大したことによって、今までになかった視点から監査を行った結果であり、今後の改善につながるものと考えています。なお、指摘件数としては、「運用管理」に関するものが最も多く13件ありました。

ISO14001審査では過去10年間で最多の21ものグッドポイントをいただいた一方で、販売会社の事業所において産業廃棄物処理委託契約書や委託業者の処理業許可証の写しを審査期間中に提示できず、順守義務を満たすための評価プロセスや維持の仕組みに対して改善指摘事項(軽微な不適合)を受けました。本指摘に対しては、審査機関に「是正処置計画書」を提出し受理されています。当該事業所においては順守義務の再評価を行い適正な状態となっていますが、他の事業所で同様の事象がないか確認するため、順守義務の評価方法に関して全事業所でセルフチェック、ならびに環境関連法令の基礎研修を併せて実施しております。加えて、当該販売会社に対してはISO推進事務局による臨時内部監査を実施する予定です。

なお、2024年のISO14001審査は更新審査でした。

内部監査

実施年 2022年 2023年 2024年
監査対象サイト 72 79 72
・第一者監査 56 63 56
・第二者監査 16 16 16
・臨時監査
指摘事項 26 20 31
・重大な不適合 0 1 1
・軽微な不適合 6 5 10
・修正事項 20 14 20
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第三者審査

実施年 2022年
(定期)
2023年
(定期)
2024年
(更新)
審査対象サイト 14 18 25
ストロングポイント
(特に優れている点)
0 0 0
グッドポイント
(優れている点)
10 17 21
改善指摘事項
(軽微な不適合)
0 0 1
改善の機会 26 16 23
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ISO14001審査の様子(コクヨ マーケティング 名古屋オフィス)
ISO14001審査の様子
(コクヨ マーケティング 名古屋オフィス)
ISO14001審査の様子(コクヨ工業滋賀)
ISO14001審査の様子
(コクヨ工業滋賀)
ISO14001審査の様子(コクヨサプライロジスティクス 南港DC)
ISO14001審査の様子
(コクヨサプライロジスティクス 南港DC)
ISO14001審査の様子(コクヨ 東京品川オフィス)
ISO14001審査の様子
(コクヨ 東京品川オフィス)
ISO14001審査の様子(コクヨ 三重工場)
ISO14001審査の様子
(コクヨ 三重工場)
ISO14001審査の様子(コクヨロジテム 関西DC)
ISO14001審査の様子
(コクヨロジテム 関西DC)

環境パフォーマンスデータの第三者検証の概要

コクヨグループ39社(※1)の環境パフォーマンスデータ(環境負荷データおよびScope3)に関して、その正確性・透明性・一貫性・妥当性・完全性について独立した立場から意見をいただくためビューローベリタスジャパンによる第三者検証を受けました。また、国内3ヵ所〈コクヨMVP 青谷工場、ニッカン 本社工場、コクヨサプライロジスティクス 福岡物流センター〉、海外1ヵ所〈Dongguan Lamex Furniture Ltd. 東莞工場〉においてデータ計測・管理方法に関する現場審査を実施しました。検証の結果、「評価できる点」として6件、「改善の機会」10件、「修正要求」29件、「明確化要求」29件の指摘を受けました。修正要求および明確化要求については検証期間中に対応を完了しました。
検証では、元データの分類・再区分・集計・算定に関する手順が第三者に分かりやすくまとめられており、情報の透明性が確保されていると評価を受ける一方、データの一部において集計・登録誤りの指摘を受けました。今後とも指摘事項を踏まえ、サプライチェーン全体を含めた情報開示の充実と精度向上に取り組んでいきます。

実施年 2022年 2023年 2024年
評価できる点 11 8 6
改善の機会 12 9 10
修正要求 38 31 29
明確化要求 7 23 29
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独立保証報告書
環境パフォーマンスデータ第三者検証の様子(コクヨMVP 青谷工場)
環境パフォーマンスデータ
第三者検証の様子
(コクヨMVP 青谷工場)
環境パフォーマンスデータ第三者検証の様子(ニッカン 本社工場)
環境パフォーマンスデータ
第三者検証の様子
(ニッカン 本社工場)
環境パフォーマンスデータ第三者検証の様子(コクヨサプライロジスティクス・福岡物流センター)
環境パフォーマンスデータ
第三者検証の様子
(コクヨサプライロジスティクス・福岡物流センター)
連結会社 持分法適用会社
国内
コクヨ株式会社 コクヨ北海道販売、コクヨ東北販売、コクヨ北関東販売、コクヨ北陸新潟販売、コクヨ東海販売、コクヨ山陽四国販売、中部キスパ、ニッカン
カウネット、コクヨマーケティング、コクヨサプライロジスティクス、コクヨロジテム、コクヨ工業滋賀、コクヨMVP、LmDインターナショナル、アクタス、コクヨファイナンス、コクヨアンドパートナーズ、オリジン、エステイック
海外
コクヨベトナム、コクヨ(マレーシア)、国誉(上海)企業管理有限公司、国誉商業(上海)有限公司、国誉家具(中国)有限公司、国誉装飾技術(上海)有限公司、コクヨインターナショナルアジア、コクヨインターナショナル(マレーシア)、コクヨベトナムトレーディング、コクヨカムリン、Kokuyo Hong Kong Ltd.、Global Known Ltd.、Lamex China Investment Ltd.、Lamex Trading Company Ltd.、Dongguan Lamex Furniture Ltd.、Lamex (S) Sales Pte. Ltd.、コクヨ−IK(タイランド)、コクヨインターナショナル(タイランド)
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