ぺんてる株式会社の従業員の皆様へ
日頃、ぺんてる株式会社の企業価値向上のために、それぞれの持ち場でお力を発揮されていらっしゃることと存じます。
昨年来、貴社の将来をめぐる様々な観測がなされる中で、一度は経営陣が打ち出された方針に対し、ずいぶん戸惑われた従業員の方々もいらっしゃったと伺っております。こうした状況を抜本的に解決するお手伝いを申し上げたく、当社は貴社の筆頭株主となり、業務提携に向けた話し合いを進めてまいりました。そうした最中に、当社が株式の買い進めを発表したことで、さぞや驚かれていらっしゃることと思います。
しかし、当社が貴社の株式の買い進めを決断したのは、ぺんてるの持たれている豊かな可能性が損なわれないため、そして、皆さんがもっとのびのびと持てる力を発揮していただけるようお手伝いしたいという思いからです。「乗っ取り」などでは毛頭ございません。こうした私どもの考えに、皆さまの諸先輩方であるOB株主の方々からも、すでに多くの賛同のお声を頂戴しております。
私どもは、ぺんてるのブランド力やぺんてるの社名を消滅させることは考えておりません。むしろ、ぺんてるが長年にわたって培われてきた文化や社風を尊重し、ぺんてるのブランド力をさらに強化していく施策をとりたいと考えています。
その取り組みを可能にするには、従業員の皆さまがあってこそです。したがって、ぺんてるが当社のグループに加わっていただいた後も、従業員の皆さまの雇用を維持し、共に成長していきたいと考えております。加えて、働く環境の見直し等の人材への投資はもちろん、従業員の方々が積極的かつ前向きにチャレンジできる様々な機会を創出していきます。
日本を代表する文房具メーカーとして、手に手を携えて頑張っていきたいと考えています。
以下、これまでに従業員や株主の皆様からお寄せいただいた代表的なご質問に、改めて回答申し上げます。
コクヨ株式会社 代表取締役 社長
黒田 英邦
Q.コクヨの子会社化とは何か?ぺんてるはどうなるのか?従業員へどんな影響があるか?
A.ぺんてるのブランド、ならびに従業員の雇用の継続を前提としています。経営陣と現場の間の信頼感を高め、風通しが良く、自由で果敢なチャレンジがしやすい組織風土作りに取り組みます。そのために、執行役員や幹部の方からの抜擢による経営陣の若返りに取り組みます。
Q.子会社化と聞くと乗っ取りや支配をイメージしてしまうが?
A.コクヨには乗っ取りや支配をするような考えは一切ございません。
コクヨの子会社運営のポリシーは、子会社の自主性を尊重し、コクヨからの一方的な押し付けはせず、常に両社のオープンな対話を前提としている運営です。その実績として、インテリア事業のアクタス社やインドにおける文具事業のカムリン社等、多くの子会社の運営において自主性を尊重し、共感し合いながら成長を図っております。
ぺんてるとの取り組みにおいても、両社による対話のもと、共に成長できる関係を築いてまいります。
Q.ぺんてるとどのようなことに取り組みたいか?
以下、箇条書きでその方向性をお伝えいたします。
①海外での持続的成長による、日本文具の世界展開
・成長させたいエリアでの戦略構築と中長期的な成長を見据えた投資プランの設定
-中国において、コクヨの顧客の共有によるシナジーの創出
-インドを起点として、中東やアフリカ等の新たな市場への進出プランの策定
-北米における収益性低下の課題解決。販売戦略の再構築とリソース配分プランの設定
・国内も含めた世界視点での生産拠点戦略の構築と投資プランの設定
②新技術、新商品開発への飽くなき挑戦による、文具の新たな価値の創造
・インクやペン先、替え芯等と、紙の研究開発チームの共同ワークにより、書くものと書かれるものを融合させた新たな価値の創造に取り組む。
そのために共に切磋琢磨できる研究開発施設の充実化に取り組む
・新しい技術に果敢に挑戦するぺんてるの開発の風土を、両社の取り組みでさらに強くする
③事業の効率化による付加価値の高い業務へのリソース集中
・コクヨと共通するコスト(バックオフィス業務や物流等)においては、コクヨのリソースを活用頂き、出来得る限り共通化することで、
従業員の方が付加価値の高い業務に集中できる環境作りに取り組む
・国内市場のシェア維持・拡大というコクヨと共通の課題に対して、両社による販売戦略や商品戦略においてシナジーの最大化を図る
・コクヨの筆記具事業をぺんてるに移管することで、コクヨの設備投資、研究開発費をぺんてるに機動的に投入する
(例:草加の研究所や、国内工場への投資 等)
Q.会社側からコクヨに売るな、という強圧的な指示があり困っている
A.ぺんてるのすべてのステークホルダーの共同利益の代表として、当社はぺんてるの企業価値の核心である従業員の皆さまの自主的、経済合理的判断を無視するような強圧的な指示はハラスメント行為として受け止めており、そうした指示があるならば断固として抗議します。もしそのような場面があれば、会話や文面を下記相談窓口にご提出頂ければ、匿名において当社が責任を持って、取り組みを進めてまいりますので、どうぞご安心して情報をお寄せください。
■従業員の皆さまからのお問い合わせ窓口(個人情報につきましては厳守いたします)
電話番号:03-6635-3169(受付時間 9:00~21:00 土日祝日含む)
メールアドレス:kokuyo2019@kokuyo.com 担当:梅田、久保