特集:東日本大震災復興に向けて

女川町の復興の第1歩をともに

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マイナスからのスタートで魚市場を再開

津波の被害を受け、女川の水産業は壊滅的な状態に陥りました。職員全員でこれからどうするかを話し合いました。正直、魚市場の再開は難しい状況でした。あたりはガレキだらけ。水揚げ岸壁は破壊され、漁船が泊められない。買受人がいない。水産加工業者がいない。しかし市場を開かなければ、水産業の町である女川の復興は難しいでしょう。「みんなでやってみっぺ」職員の給料を30%カットすることに同意してもらい、魚市場再建へのスタートを切りました。

まずは建物の中のガレキを撤去しました。ものすごい量です。機械は何もありません。NPOやボランティアに手伝ってもらい、2カ月かけて片付けました。水揚げ岸壁の修復は急務でした。女川町と宮城県に一刻も早く修復するようお願いしました。秋のサンマ漁までにはと思っていたのですが、非常に早く対応してもらい、7月1日に再開することができました。

施設の復旧も課題でした。建物も機材もすべてがなくなってしまっています。これまでは黒字経営でしたが、震災によって1億円以上の売掛金の回収が見込めなくなりました。債務超過になってしまったため、銀行からの借り入れは絶望的です。女川町に1千万円の増資を頼んだところ、議会で承認され、さらに、設備に対して約1億円の補助金を出していただきました。また、コクヨさんをはじめ、さまざまな団体からご支援をいただきました。コクヨさんも参加されている「希望の烽火プロジェクト」からは冷凍冷蔵コンテナ、リフト、タンクなど多くの支援をしていただきました。みなさま方には衷心より御礼申し上げます。

最大の問題は、2012年以降、利益を出せるかどうかです。通常は70億円の売上げがないと赤字となります。黒字化を達成するために、5ヵ年計画を立てました。

実現は簡単ではありません。

それでも前に進むため、共同の加工場を2012年度中に2つ建てる予定です。6000トンの共同利用冷蔵庫も設置します。個人や単体では難しいことでも、共同でなら実現できるかもしれません。小さな町だからこそ、ひとつになりやすい。困難な道のりですが、みんなで力を合わせて、女川の町と水産業を復興していきたいと思います。

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株式会社女川魚市場 代表取締役専務
加藤 實氏

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「放射能検査を毎日実施しています。安全な魚しか出荷していませんので、安心して食べてください」(加藤さん)

女川町の復興は、水産業の復興とともに

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女川町役場水産農林課 課長補佐
市場担当 遠藤 哲也氏

復興にはスピードが大切です。女川町では、水産加工エリアを指定した新しい町づくりとともに、土地のかさ上げを計画しています。女川を復興するためには、町づくり、水産業の再建、どちらも同じようにスピードを上げてやっていく必要があるのです。

コクヨさんは動きが早かった。震災後すぐに来てくれて、「なにか支援するものはないですか」と単独で寄付のお声がけをしてくださいました。魚市場だけでなく買受人協同組合にも、会議テーブルや机、ロッカーなど事務用品を寄付していただきました。ありがとうございました。

女川はサンマとギンザケが有名な漁港です。サンマは本州一を争う漁獲量でした。震災前の活気を取り戻すためにも、1日も早くそれぞれの施設を復旧し、水揚げ量を増やしていきたいと考えています。

担当者の声

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コクヨファニチャー 官公庁営業部
東北室 清水 康伸

被災地の現実を知り、思いを新たに

被災地では、何もない空間にショベルカーの音だけがゴンゴンと響いています。テレビの映像を見ているのとは違う、五感を通じて届く現実――。

震災時、私は東京勤務でした。自分に何かできることはないか。さまざまな思いが胸にわき、希望して5月から復興推進本部に入りました。

実際に被災地の現実を目の当たりにすると、言葉が出ないほどの衝撃でした。同時に、改めて我々にできることを精一杯やろうと強く思いました。コクヨとしてできる限りの寄付を進めると並行して、民間企業やボランティア・NPOと一緒に被災地でイベントを開催したり、官民交えて街づくりのアイデアを交換しあったりしています。

震災は東北だけの問題ではありません。日本全国、さらには世界のさまざまな地域でも経験する可能性があるのです。今回の震災によって、過疎や高齢化、雇用などの問題がより顕在化したと思います。地震対策とあわせて、地域活性化に役立つノウハウをつくることができれば、いずれ他の地域でも役立てられるでしょう。今後、コクヨが世界から求められる企業になるためにも、まずは今、東北の人たちに必要とされるお手伝いをしたいと思っています。

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