「整理」と「整頓」の違いを考えることから掃除は始まる
デスクやパソコン、手あかで汚れるキーボードや電話機まで拭き上げてぴかぴかにする。大掃除というのは、とても心地の良いものです。デスクをふさいでいた書類の山が消えて文具類が収まるべき場所に収まった様子を見ると、新年はもっとうまく仕事するぞ! という気分になります。
本来掃除とはほこりをはらってきれいにすることですが、ビジネス人が掃除をするのは「デスクをきれいにするため」ではありません。中にはきれいにした途端に大切な書類を見失ってしまう人もいて、「だから大掃除はきらいなんだ」とボヤきながら探し物をしていたりしませんか? そう、ビジネス人が掃除をするのは、きれいにすることプラス、「より効率良く仕事を進めるために環境を整える」ためなのです。
一般に「整理整頓」と言います。紙に書いて貼ってある職場もあるかもしれません。「整頓」とは並べ整えてきれいにすること。資料ファイルを背の順に並べたり、よく整頓されたオフィスやデスクは美しく、有能に見えるものです。しかし、大掃除できれいに整頓しても、年が明けて仕事始めから1週間もたてばまた元の木阿弥、デスクには書類が山と積もっている、なんてことはありませんか? 書棚のファイルも並びはばらばら、誰かがファイルを持っていったまま戻って来なかったりして棚はすかすか。
もしそんなことになっているとしたら、「整頓」はしたけれども「整理」はしていなかった、ということになるかもしれません。
「整理」とは理をもって整えること。理とは、論理、体系のことです。仕事を体系化して、必要な位置に必要なものが配置されていれば、手と頭が連動して最短距離を動き、無駄なものを触ることもありません。散らかる率はぐっと下がるはず。たまに趣味で料理する人は、必要になってからあわてて食材を用意したりして、効率が悪く、時間もかかり、味は良くならず、終わってみればキッチンは散らかり放題ということになるものです。優れた料理人は必要なものを最適な位置にスタンバイさせていて、使ったらそこに戻す。てきぱきと作業は進み、キッチンが散らかる間もなく、美味しく見た目も美しい料理が仕上がっていきます。料理にはどんな順序で何が必要になるか、シェフの頭に体系が叩き込まれているからです。
テレビに出てくる料理人はスタッフがいっぱいいて、最適なタイミングで材料を用意してくれるからずるい、なんて言わないで。整理上手なビジネス人は、自分の仕事を体系づけ、必要な場所に必要なものを整え、てきぱきと仕事していくのです。
デスクシェルフに資料を並べるにしても、「背の順に美しく」する整頓ではなく、「必要な順序/組み合わせ」に基づいた整理へ。この違いを考えることから、ビジネス人の掃除は始まるのです。



