「Campus」の思想を広げたい コクヨファニチャー株式会社 上席執行役員 藤木 武史

学びをサポートするだけではなく、「Campus」ブランドには先進性や革新性が必要だと語るのはコクヨファニチャーの藤木。そして、そこにある思想を空間や建築まで広げていきたいといいます。「Campus」に対する想い、そしてコクヨデザインアワードに期待する未来。藤木の話しは、熱い夢にあふれていました。

「Campus」で次のステージへ

キャンパスブランド、それは「学びをサポートするツール」。しかし、単純な学びのツールではありません。私はコクヨキャンパスと聞くと、正座をしているような凜とした姿勢を思い浮かべる。そこには、毅然とした雰囲気が感じられる。いまよりも高い次元、次のステージに行こうとしている、そういった強い意志に応えるブランド。それが「Campus」だと思っています。例えば、英語でも料理でもいい。それらを学んでいて一段階、上に上がろうとすればそこには試練がある。勉強を繰り返し、自ら努力をする。それを楽しめる人に選んでいただきたい。次のステージに向かう人のために、キャンパスブランドはあるべきだと考えています。

「ポジティブ&スマート」なキャンパスチェア

「キャンパスチェア」

キャンパスブランドの思想が息づいている家具のひとつに、キャンパスチェアがあります。そもそも、小学校や中学校のイスは、しばらく座っているとお尻が痛くなるようなものでした。座ったときの体圧の分散などは考えられていなかった。そこで私たちは、1時間30分ほどの時間なら座っていてもお尻が痛くならない、また姿勢も崩れないようなイスをつくろうと思いました。さらに、背座には防汚効果のある樹脂を採用して、清潔感が続くようにしました。

キャンパスチェアはアクティビティも大切にしました。だから、イスは軽量にして脚にはキャスターがついています。これは学生たちをじっと座らせないため。チームを組んだり、誰かの近くへ移動したりして、みんなでワイワイとコミュニケーションしながら学習できるイスとなっています。このキャスターは机にも採用しようと思っています。動くことで学びの可能性を広げる。「ポジティブ&スマート」なキャンパスブランドらしい機能。過去にこだわらない、これからを考えてものづくりをすることが大切だと思っています。

先をつくること、それがデザイン

去年の大震災の後、東北のメーカー系のお客様がおっしゃいました。「いま、何もなくなった。だけど、震災の前から私には何もなかったのです」と。東京を見ながらものを量産していたから、こちらには何もなかった。そして、震災が起きた。でも前と変わらない。前のように、いまも何もないと。

私はそのお客様が言いたいことが、わかるような気がしました。というのも、ちょっと前に東北に行ったとき、新しく建った病院や学校を見てきたのです。それらはまだ仮設でしたが、でもそれでも、建物内にある家具やレイアウトは震災前のものと変わらない。いちからデザインしてつくれるのに、何も変わっていない。なぜ、もっと人が働きやすいとか、高齢の方にとって居心地がいいとか、子供がコミュニティを形成しやすいとか、そんな考えでデザインしていかないのか。以前の状況を再現しているだけで、進化というものがここにはなかった。

ものをつくるとは、過去に戻るのではなく、過去の事例を見ながら、あるときは反省をして、次のステージ、先のことを考えながら実行すること。それがすなわちデザインです。そいったものづくりの核のようなものを、みんな忘れがちなような気がします。

美しく、先へと進む人を支える作品を

今回のコクヨデザインアワードのテーマはCampus 「ノートを超えろ」。難しいかもしれませんが、キャンパス=ノートではなく、先を行く、常識をぶち破るようなものを期待しています。私達が審査でダメを出すのは、デザインされていてそうで、実はされていないもの。アワード自体を傾向と対策で処理している作品です。プロダクトとしてデザインされているものでないと評価はしません。ちょっとしたフォルムや、0.1ミリの曲線の違いなどに対して、ちゃんと議論されていて、自分の頭で考えたものがアウトプットされている。そういった作品を選びたいですね。

キャンパスというブランドにある思想を、文具や家具だけでなく、働き方とか空間、建築まで広げていきたいと考えています。つまり、デザインアワードの対象となるジャンルも広がっていく可能性がある。そんな先を見据えた、デザイン的に美しく、しかも次のステージに向かう人を、しっかりと支えてくれるような作品を待っています。

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「Campus」ブランドに込めた想い 井上 恭史 「Campus」の思想を広げたい 藤木 武史
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