石橋 これは最初からかなり評価が高かったですね。展示で実際に皆さんに切ってもらえないのが残念ですが、山中さん、この作品の評価ポイントは? 山中 紙にミシン目が入っているだけなんですが、実際に書いてもペン先が穴に引っかからない、罫線として使えるサイズになっていて、気持ちよく切れます。使ってみて、新しい紙の発明だと感じました。今までどうしてなかったんだろう、と。
グランプリの「紙キレ」について講評
石橋 サンプルはどうやって作られたんでしょうか、受賞者の「三人一組」の方、コメントをお願いします。 三人一組(受賞者) 最初はピザを切るような、ミシン目がつけられる道具を使いましたが、書くとひっかかりました。ビジュアル的に成立しても使ったときがNGなので、レーザー加工のメーカーを探して、ピッチを指定して発注しました。撮影したのは一枚1,200円でした。ミシン目の長さで単価が設定されるので、碁盤の目になっていると値段が跳ね上がります。本当は店頭で売っているようなパッケージにしたかったんですが、費用の面で断念しました。 水野 ノートパッドで12万円くらいですね(笑) 佐藤 パネルを見ていたときは若干疑問が残るというか、スッキリしなかったのですが、実際にモデルを手にして、透かして見た時の美しさとか、ミシン目を切ったときの心地よさとか、物の力がグランプリまで押し上げたな、と思います。ペーパーレスの時代に紙がグランプリ、という矛盾も面白い。 三人一組(受賞者) 僕達の中では、正解はこれだという確信がありました。ピッチは、正方形に分割すると端が合わないので、完全な正方形ではありません。端が合っている、真ん中で折れる、ということにこだわりました。
山中 ペンが斜めの矢印になっているので、メモの上に置いておくと「ここ読んでね」というサインになる。PCの中のカーソルとかポインタが立体になった、つまり、アイコンの3次元化と筆記具を巧みに重ね合わせました。 柴田 これは私も応援していたんですが、モデルが最初より若干太く仕上がっていたんですよね、それが惜しい。もうちょっと繊細に出来上がってくるかなと期待していたんですが。 大木(受賞者) 市販のペンを使ったので、そのキャップの大きさから抜け出せなかった。ナナメに刺さるためにはキャップにある程度の重さが必要で、素材を重くすればクリアできたと思います。ちょっと力不足でした。 柴田 コンセプトも大切なんですが、最後はサンプルの力なので、コンマ何ミリとかそういうところまで考えることが重要。グランプリは何も考えていないようでプロフェッショナルでした。この作品もそこまで詰めると良かった。
「yajirushi」について講評
山中 融通のきくもの、というテーマを出したときに十徳ナイフを作って欲しいわけじゃない、と言いました。単に機能を合わせたものはダメ、という気持ちだったのですが、これはあまりにも見事で良かった。こっちがグランプリという話もありましたよね。どっちにしようか、みたいな。最後までかなり激論でしたよね。 柴田 個人的には、あったら買いたい、と思うけど、「融通のきくもの」というテーマで二つの機能が合わさったものは、グランプリにはなり得ないと思いました。でも、ひねってないんだけど美しくてやられちゃった、という感じ。
「tuck」について講評
柴田 ヘッド部分がユニークで良さがあるので、そこがより強調されるように、グリップを頑張ってほしかった。キャップの形などは、現実的というか、やや興ざめする感じ。ヘッドが主役なので、他は無口なデザインで構わない。ペン先のカバーの部分は見えなくて良かった。そのほうが、先だけに目が行きますよね。
「beetle head」について講評
水野 これは同じようなアイデアが、たまたま見ず知らずの二人から出たというものです。これをどう評価するのかが問題でして、ひとつの賞を分けるかという話もありましたが、「8」がほぼ同じで、それは二つに分けられないということで、ダブル受賞になりました。書類整理するときにあったら、絶対にいい。でも山中さんが「欲しい数字を探し出すのが大変かも」と言っていて、ああそうだなと。 石橋 結果的にダブル受賞になりましたが、どっちがいいか、ずいぶん議論した作品です。グランプリでもよかったという話が出ていました。
「number clip」「Numbers Gem」について講評
「cashier tray」について講評
「Shilhuette」について講評
佐藤 複数の機能がついているオールウンダー的なものではなく、特定のシーンで「あ、便利」と思う融通のきき方もあると思ったので選ばせていただきました。模型がないのが残念だったんですが、やっぱり作るのは難しかったんでしょうか。 DeMo(受賞者) 厳しかったです。筆1本を作るなら簡単だと思うんですが、これのアイデアは複数の筆があって、その中から水に浸かっていても特定のものが直感的に選び出せる、というところに意味があります。二次審査でモックを提出していいですよ、と言われて悩みましたが、ビジュアルとデザインで伝わると考えて、モックは用意しませんでした。 柴田 模型を作ったら2本3本では伝わらないと思うので、作らないという判断は正解だと思いました。
「wagomu」について講評
「コトハリ」について講評
「Double Faces」について講評