応募総数1723件の中から、受賞作品が決定しました。
グランプリ
「紙キレ」
「紙キレ」
作:三人一組
カテゴリ−:紙
優秀賞
「tuck」
「tuck」
作:山口 智宏
カテゴリー:クリップ、ピン
「Beetle head」
「Beetle head」
作:park_misaki
カテゴリー:ペン
「yajirushi」
「yajirushi」
作:大木 陽平
カテゴリー:ペン、マグネット
「number clip」「Numbers Gem」
「Numbers Gem」「number clip」
作:乙部 博則/金子 久秀
カテゴリー:クリップ
PAGETOP
山中俊治賞 佐藤オオキ賞 柴田文江賞
「cashier tray」
「cashier tray」
作:斉藤 ダイスケ
カテゴリー:トレイ
「Silhouette」
「Silhouette」
作:DeMo
カテゴリー:絵筆
「wagomu」
「wagomu」
作:宮脇 将志
カテゴリー:輪ゴム
水野学賞 コクヨ賞
「コトハリ」
「コトハリ」
作:志喜屋 徹
カテゴリー:付箋
「Double Faces」
「Double Faces」
作:Xu Han Rui
カテゴリー:定規
PAGETOP
総評
山中俊治(審査員長/デザイナー) LEADING EDGE DESIGN代表
コクヨデザインアワード2007の告知に当たって、私は雑誌のインタビューで「作品を見て頭を抱え込んでしまうような」 応募を期待しますと発言しました。今回、グランプリの「紙キレ」には本当に頭を抱えたことを正直に告白します。過去2回、私が審査員として関わってきた本コンペのテーマは「奥行き」「素」という佐藤卓氏による大変美しい日本語でした。今回、審査員長を仰せつかり、あえて「融通のきくもの」というあまり詩的とは言えないテーマを設定した背景には、是非、受賞作品を商品化につなげたいという思いがありました。それがカドケシなどのヒット商品を輩出してきたコクヨ・コンペのアイデンティティだと思ったからです。さて、くだんの「紙キレ」は、文句なく美しくかつ実用的な提案です。にもかかわらず私を悩ませたのは、提案がほとんど素材開発であるため簡単には実現できないからです。それでも激論の末にこれをグランプリとしました。デザインは、技術ひいては産業そのものを触発、誘導するような存在でありたいと言う思いを込めたものです。もう一つの悩みがありました。今回、応募総数も過去最大でしたが、応募された作品の質も高く、惜しくも選外となった物の中にも大変優れた物があったことです。世辞ではありません。審査員の誰もが「本気で迷うなあ」と思わずもらすほどの、充実した審査であったことは望外の喜びでした。1723点の作品をご応募いただいた皆さんに心より御礼申し上げます。
 
佐藤オオキ(デザイナー) nendo代表
「融通のきくもの」というテーマはとても興味深く、いろいろなことを考えさせられる契機となりました。複数の能力を安定して発揮し、どんな状況や環境にもスマートに対応できるデザイン、という解釈は容易にできます。また、そういったアイディアは比較的商品化しやすい傾向にあるように思います。しかし、審査が進むにつれ「イレギュラー」な状況や環境にさらされたときにキラッと新しい機能が出現するような、そんな「融通のきくもの」に次第に魅力を感じるようになっていきました。日常生活におけるほんの一瞬、またはその商品寿命においてたった一度だけのためのデザインは、それを取り巻く生活空間や時間軸を無視して実現することはできません。それ故に「広がり」を感じさせるデザインになるのだと思います。そのことを再認識できたことに感謝しています。
 
柴田文江(インダストリアルデザイナー) Design Studio S代表
デザインが生活へもたらす豊かな提案は、モノに表現するとおのずと「融通のきくもの」になるように思いました。融通とは利便性ではなく、それによって使用するシーンや、新しい生活をイメージさせるキーワードのようなものでモノをデザインする時に、創り手がめぐらす思考の先にある正解なのではないでしょうか?審査段階で高い評価を受けた作品はそれぞれに、デザイナーが描く豊かな暮らしと、モノと人との関係性が明快に表現されていましたし、日常を見つめる視点と、人への思いやりが良いデザインを生み出すことを再認識するコンペでした。
 
水野学(アートディレクター) good design company代表
審査が終了した瞬間、審査員全員で、とても良い審査だったねと話しました。審査とは大変難しいもので、『少し気になるもの』、つまり、可も無く不可も無いものや個性が薄いものが票を集めてしまう傾向があります。そういったものは、万人に受け入れられ易いからです。しかし、実際に他の商品の中に混ざると、存在感が薄く埋没してしまう。今回の審査では、そういった傾向を事前に協議し、紛らわされることなく受賞者が決定できたと思います。受賞者が決定した際には、審査員一同「今年の審査員で良かったね」と冗談のような本音が出てしまうほど、良い審査になりました。これもひとえに、まじめに出品してくださった皆様のお陰と心より感謝申し上げます。私事ではございますが、今回、アワード全体のアートディレクションを担当させて頂きました。応募者数も過去最高となり嬉しい限りです。今年入賞できなかった皆様、諦めずに来年もまたご応募下さいますよう、よろしくお願い致します。
 
黒田章裕 コクヨ株式会社代表取締役社長
今回で6回目を迎えた本アワードは過去最高の1723件の応募と、知名度、作品のレベルともに年々高くなってきており、継続して開催してきた手ごたえを実感しています。一方、素晴らしい作品はやはり商品として広く提供してこそ価値があるとの認識を更に強め、今年の審査は応募要項にも掲載している「商品化の可能性」をより重視して、審査員の先生方にもお願いをして審査頂きました。その結果、アイデアの面白さと同時に商品化の可能性を併せ持つレベルの高い提案が多く選定され、充実したアワードとなりました。大賞の「紙キレ」をはじめ各賞に選出された作品は、製造方法、コスト等において依然難易度の高い提案ではありますが、我々自身も今回のテーマである「融通のきく」メーカーとしてその難関にも挑戦し、いずれ商品として皆様にお披露目できるよう検討を重ねたいと思います。